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IEEE 754 : ウィキペディア日本語版
IEEE 754
IEEE 754IEEE 浮動小数点数演算標準)とは、浮動小数点数の計算で最も広く採用されている標準規格であり、多くのCPUFPU、またソフトウェアで実装されている。多くのコンピュータ言語でも、浮動小数点数処理の一部または全部に IEEE 754 が採用されている。IEEE 754 が制定される前に成立したC言語などは、仕様上はIEEE 754 が必須となっていないものの、IEEE 754を採用したコンピュータ・アーキテクチャの普及に伴い、の処理系では、自然と IEEE 754 が採用されることが多い。一方で、JavaC#など、言語仕様として IEEE 754 を必須としているものもある。
の規格は、2008年8月に制定された IEEE 754-2008 である。これには、1985年の IEEE 754 制定当初の規格であるIEEE 754-1985、ならびに基数非依存の浮動小数点演算の標準規格 IEEE 854-1987 の両者がほぼすべて吸収されている。IEEE 754-2008 は正式に制定されるまでは、IEEE 754rと呼ばれた。
正式な規格名は、IEEE Standard for Floating-Point Arithmetic (ANSI/IEEE Std 754-2008)である。ISO/IEEEのPSDO(パートナー標準化機関)合意文書に基づき、JTC1/SC 25 を通して国際規格 ISO/IEC/IEEE 60559:2011 として採用され〔FW: ISO/IEC/IEEE 60559 (IEEE Std 754-2008) ISO規格に採用されたことを知らせる電子メールの記録〕、公表されている〔ISO/IEC/IEEE 60559:2011 ISO〕。
この標準規格は以下のことを定義している。
* 基本形式: 二進および十進の浮動小数点数データの集合。有限な数(符号付ゼロ非正規化数を含む)、無限、特殊な「数ではない」値(NaN)から成る。二進形式3種類、十進形式2種類で、計5種類の基本形式が存在する。
* 交換形式: 浮動小数点数を効率的かつコンパクトな形で交換するのに使われる符号化形式(ビット列)
* 丸め規則: 算術や変換の際に数を丸める方式(端数処理)。5種類
* 演算: 基本形式に対する算術演算や他の演算
* 例外処理: 例外的状態の通知(ゼロ除算、オーバーフロー、その他)。5種類
またこの規格では、高度な例外処理、追加的な演算(三角関数など)、式評価、再現可能性などを強く推奨している。
このIEEE 754-2008 は、7年をかけて IEEE 754-1985 から置き換えたものである。改訂作業は Dan Zuras が指揮し、が編集責任者となった。なお、IEEE 754-1985 当初からの二進形式(単精度・倍精度)は、そのまま IEEE 754-2008 にも含まれている。さらに、IEEE 754-2008 では、新たに二進形式1つ、十進形式2つも加わって、計5つの基本形式が存在する。IEEE 754-2008 に従う実装では、これらのうち少なくとも1つの基本形式を算術演算と情報交換のために実装しなければならないとされている。
== 形式 ==
IEEE 754において、浮動小数点数データを取り扱うための符号化が形式 (Formats) として定められている。その中では次のデータを表現できる。
* 2または10を基数とする有限数。各有限数は、符号''s''(0または1)、仮数''c''、指数''q''の3つの整数で表現し、(−1)''s'' × ''c'' × ''b''''q''という値を意味する。bは基数で2または10である。例えば、符号が1(負数を意味する)、仮数が12345、指数が−3で、基数が10だった場合、−12.345という値を表す。
 *非正規数
 *0(+0と−0)
*+∞と−∞。
*2種類の非数 (NaN)。NaNにはクワイエットNaN (Quiet NaN)とシグナリングNaN (Signaling NaN)が存在する。どちらのNaNでも、追加情報を伝えられる余分のビットが設けられている。
所定の形式で表現可能な有限数値は、基数 (''b'')、仮数の桁数すなわち精度 (''p'')、指数に関するパラメータ ''emax'' によって決定される。
*''c''は0から''b''''p''−1までの値でなければならない(例えば''b'' = 10 かつ ''p'' = 7 ならば c は0から9999999の範囲を取る)。
*''q''は1−''emax'' ≤ ''q''+''p''−1 ≤ ''emax''でなければならない(同様に、例えば''p'' = 7 かつ ''emax'' = 96 ならばqは−101から90の範囲を取る)。
括弧内の例のパラメータを用いた場合、0以外で最も小さい値は1×10−101と表現され、最も大きい値は9999999×1090 (または9.999999×1096)と表現される。これらの数は、正規数と呼ばれる。一方、正負の最も0に近い正規数である−1×10−95と1×10−95に挟まれた区間は、非正規数として表現される。
ゼロは仮数が0の有限数である。符号が別に定義されているので、符号付の2種類のゼロ +0 と-0 が存在する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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